寒さが徐々に厳しくなってきました。体調をくずされる方も多いようです。風邪の患者様も増えてきていますので、うがい、手洗い、部屋の換気・加湿など、風邪の予防にご注意ください。インフルエンザの予防接種も11月中に行うことをお勧めします。

 先日、娘が右肩のしこりが気になったようで、しこりが何か聞かれたため、「それは鎖骨(さこつ)だ」と教えてあげたところ、「えっ?右側なのにさ骨なの?」と言っていました。どうやら“鎖骨”を“左骨” と思っていたようです。普段、超!生意気な娘が少しかわいい瞬間でした。

 さて、表題の件ですが、先日患者様から『胃がんのABC検診と胃透視の検診はどちらが良いの?』と質問がありました。
 前回も触れましたが、ABC検診は血液検査です。ピロリ菌の抗体と、ペプシノーゲンという胃粘膜萎縮のマーカーを調べることで、胃癌のリスクを調べる検査です。(前回と重複しますが…)
A群;ピロリ菌なし、萎縮なし→「ピロリ菌の感染がない人」
B群;ピロリ菌あり、萎縮なし→「ピロリ菌に感染しているが萎縮は軽い人」
C群;ピロリ菌あり、萎縮あり→「ピロリ菌に感染し、萎縮が進行している人」
D群;ピロリ菌なし、萎縮あり→「さらに萎縮が進行し、ピロリ菌の抗体が消えてしまった人」
 この検査は、癌があるかないかを調べる検査ではありません。リスクが高い方に胃カメラを行って、はじめて癌が見つかります。
・ABC検診の利点は、胃透視でわからないような微細な癌も、内視鏡を行うことで発見される可能性があることと、胃癌のリスクを確認することで、今後どのくらいの頻度で内視鏡が必要かの目安になります。一度検査を受けてC/D群の人はピロリ菌の治療を受けない限り、理論的にはずっと C/D群のままなので毎年受ける必要もありません。B群の人は年とともにC/D群となる可能性があります。
 欠点としては、癌そのものを見ている訳ではないので、胃透視で明らかに癌とわかる人でも、胃粘膜萎縮が軽度であると、ABC検診では指摘されない可能性もあります。
 また、検査には誤りがつきものです。
 『偽陰性(=本当はピロリ菌感染や胃粘膜萎縮があるのにないと判定されること』という問題があります。例えば本当は最もリスクが高い、D群;ピロリ菌なし、萎縮あり、なのに、萎縮が偽陰性になると、A群;ピロリ菌なし、萎縮なし、になってしまいます。
・胃透視は小牧市の検診で行うことができるのが利点ですが、内視鏡的切除の対象となる早期癌の発見は困難です(当クリニックでも胃透視で指摘できなかった病変が、腹部症状などから胃カメラを行うことで早期癌が見つかっています)。胃透視でもある程度、萎縮性胃炎の有無はわかります。当クリニックでは、胃炎の所見が強い人には、時折、内視鏡検査行うことをお勧めしています。
・結局、両者には利点も欠点もあります。個人的には胃透視であまり異常を指摘されない方こそ、ABC検診も受けておくと、胃癌のリスクが判定できるため、胃カメラをうけるきっかけになって良いかと思います。また、ピロリ菌の治療後の方にはABC検診はあまり意味がありません。ピロリ菌は治療後であっても定期的な内視鏡による経過観察をお勧めします。