おおやま内科クリニックの院長日記|愛知県小牧市|内科・消化器科(胃腸科)

愛知県小牧市の間内駅前で、2012年5月に、内科・消化器科の医院を開業予定のおおやま内科クリニックです。

2012年10月

寒さが徐々に厳しくなってきました。体調をくずされる方も多いようです。風邪の患者様も増えてきていますので、うがい、手洗い、部屋の換気・加湿など、風邪の予防にご注意ください。インフルエンザの予防接種も11月中に行うことをお勧めします。

 先日、娘が右肩のしこりが気になったようで、しこりが何か聞かれたため、「それは鎖骨(さこつ)だ」と教えてあげたところ、「えっ?右側なのにさ骨なの?」と言っていました。どうやら“鎖骨”を“左骨” と思っていたようです。普段、超!生意気な娘が少しかわいい瞬間でした。

 さて、表題の件ですが、先日患者様から『胃がんのABC検診と胃透視の検診はどちらが良いの?』と質問がありました。
 前回も触れましたが、ABC検診は血液検査です。ピロリ菌の抗体と、ペプシノーゲンという胃粘膜萎縮のマーカーを調べることで、胃癌のリスクを調べる検査です。(前回と重複しますが…)
A群;ピロリ菌なし、萎縮なし→「ピロリ菌の感染がない人」
B群;ピロリ菌あり、萎縮なし→「ピロリ菌に感染しているが萎縮は軽い人」
C群;ピロリ菌あり、萎縮あり→「ピロリ菌に感染し、萎縮が進行している人」
D群;ピロリ菌なし、萎縮あり→「さらに萎縮が進行し、ピロリ菌の抗体が消えてしまった人」
 この検査は、癌があるかないかを調べる検査ではありません。リスクが高い方に胃カメラを行って、はじめて癌が見つかります。
・ABC検診の利点は、胃透視でわからないような微細な癌も、内視鏡を行うことで発見される可能性があることと、胃癌のリスクを確認することで、今後どのくらいの頻度で内視鏡が必要かの目安になります。一度検査を受けてC/D群の人はピロリ菌の治療を受けない限り、理論的にはずっと C/D群のままなので毎年受ける必要もありません。B群の人は年とともにC/D群となる可能性があります。
 欠点としては、癌そのものを見ている訳ではないので、胃透視で明らかに癌とわかる人でも、胃粘膜萎縮が軽度であると、ABC検診では指摘されない可能性もあります。
 また、検査には誤りがつきものです。
 『偽陰性(=本当はピロリ菌感染や胃粘膜萎縮があるのにないと判定されること』という問題があります。例えば本当は最もリスクが高い、D群;ピロリ菌なし、萎縮あり、なのに、萎縮が偽陰性になると、A群;ピロリ菌なし、萎縮なし、になってしまいます。
・胃透視は小牧市の検診で行うことができるのが利点ですが、内視鏡的切除の対象となる早期癌の発見は困難です(当クリニックでも胃透視で指摘できなかった病変が、腹部症状などから胃カメラを行うことで早期癌が見つかっています)。胃透視でもある程度、萎縮性胃炎の有無はわかります。当クリニックでは、胃炎の所見が強い人には、時折、内視鏡検査行うことをお勧めしています。
・結局、両者には利点も欠点もあります。個人的には胃透視であまり異常を指摘されない方こそ、ABC検診も受けておくと、胃癌のリスクが判定できるため、胃カメラをうけるきっかけになって良いかと思います。また、ピロリ菌の治療後の方にはABC検診はあまり意味がありません。ピロリ菌は治療後であっても定期的な内視鏡による経過観察をお勧めします。

 9/30の中日新聞にピロリ菌の記事が掲載されていました。
 ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍だけではなく、胃癌の原因として認識されてきています。
 しかしながら、問題点は、ピロリ菌の検査や治療が、現在のところ保険診療では胃・十二指腸潰瘍や早期胃癌の内視鏡治療後の方に限られていることです。つまり、胃潰瘍のない人が「ピロリ菌を調べて下さい」と受診しても検査をすることはできないのです。
 日本人は約半数がピロリ菌を保有していると言われていますが、その中で潰瘍ができる人はごくわずかです。つまり、多くの方は人間ドックや自費診療など、保険診療以外の手段をとらないと実際にはピロリ菌の検査治療をうける機会に出会うことができないのです。
 私は、潰瘍のない人でもピロリ菌の検査・治療を受けていただけるよう、小牧市民病院在職中から、市民病院でも自費診療の除菌治療を導入してきました。
http://www.jshr.jp/index.php?page=medic_facility&state=23
http://www.jshr.jp/index.php?page=medic_list&state=23
 
 ピロリ菌の感染が起こると、慢性胃炎を来たします。慢性胃炎の進行とともに、胃粘膜が萎縮し、萎縮性胃炎という状態になると、胃癌が起こりやすい状態になります。
 新聞の記事にもありました、ABC健診とは、血液検査でピロリ菌の抗体とペプシノゲンという胃粘膜萎縮のマーカーを調べることにより、
「ピロリ菌の感染がない人」
「ピロリ菌に感染しているが萎縮は軽い人」
「ピロリ菌に感染し、萎縮が進行している人」
「さらに萎縮が進行し、ピロリ菌の抗体が消えてしまった人」
 に分類する検査です。下にくるに従い、胃癌のリスクが増えます。
 当院でも行うことができますのでご相談ください。新聞の記事にもありましたが、除菌治療はできるだけ若い時に行うことが重要です。

このページのトップヘ